葵せきな先生書き下ろしTwitter小説
31【ゲーム同好会と初心者指南】9月7日 掲載
ゲスト挿絵イラスト「廣田眞胤」さん
「テレビゲームって実際、何から始めるべきなの?」
亜玖璃さんが何気なくそんな話題を振ったその瞬間、それまで平和だったゲーム同好会の空気は一変した。
『…………』
ゲーム好き達四名が雑談をぴたりと止めて無言で俯く。
「え、なにこの空気。亜玖璃、何か地雷踏んだ?」
恐る恐る訊ねてくるアグリさん。僕はそれに「いえ」と返す。
「むしろ逆です。アグリさんは今……鯉の群れの中に餌を投げ入れたんですよ!」
「何それ帰りたい」
げんなりするギャル。
僕らは早速、我先にと意見を口にし始める。
「やはり僕的には任○堂作品一択ですね。具体的にはマ○オ」
「ハッ、これだからケータは。アクションより、ターン制RPGがいいに決まってます」
いつもの如くバチバチと火花を散らす僕とチアキ。
「何言ってんだお前ら、そこはパズルアプリとかでいいだろ」
「浅薄ね上原君。初心者こそ千尋の谷に突き落とすべきでしょう。なのでFPSで」
対照的な上原君と天道さん。アグリさんが小さく呟く。
「あの、もう、別に……」
しかし僕らは彼女に構うことなく続ける。
「普通に○リオでいいじゃない!」
「いえいえ、ドラ○エでしょう」
「キャンディー○ラッシュとかがいいって」
「シヴィライ○ーションという手もあります」
『それはないって!』
「ありますー!」
目が虚ろなアグリさん。が、僕らはそれでも止まらない。
「わかった。テ○リスでどう!?」
「なんて平々凡々とした意見ですか。やはりウィザード○ィがいいかもです」
「馬鹿かよ。パズ○ラあたりがいいって」
「魔○村か、超○界村を……」
そうして気づいた時には……アグリさんが机を叩いて、涙目で、叫んでいた。
「アグリやっぱり、ゲームやらない!」
『なぜ!?』
「『なぜ』じゃないよ! 皆、自分の胸に手を当てて考えなよ!」
アグリさんに促され、しばし黙考する僕ら。
そうして、僕らゲーマー勢は……全員同時に結論に辿り着いて、呟いた。
『……下手だから?』
「よかろう。ならば亜玖璃と戦争だっ、このひきオタゲーマー共ぉっ!」
…………。
……今日もゲーム同好会は、実に賑やかです。
亜玖璃さんが何気なくそんな話題を振ったその瞬間、それまで平和だったゲーム同好会の空気は一変した。
『…………』
ゲーム好き達四名が雑談をぴたりと止めて無言で俯く。
「え、なにこの空気。亜玖璃、何か地雷踏んだ?」
恐る恐る訊ねてくるアグリさん。僕はそれに「いえ」と返す。
「むしろ逆です。アグリさんは今……鯉の群れの中に餌を投げ入れたんですよ!」
「何それ帰りたい」
げんなりするギャル。
僕らは早速、我先にと意見を口にし始める。
「やはり僕的には任○堂作品一択ですね。具体的にはマ○オ」
「ハッ、これだからケータは。アクションより、ターン制RPGがいいに決まってます」
いつもの如くバチバチと火花を散らす僕とチアキ。
「何言ってんだお前ら、そこはパズルアプリとかでいいだろ」
「浅薄ね上原君。初心者こそ千尋の谷に突き落とすべきでしょう。なのでFPSで」
対照的な上原君と天道さん。アグリさんが小さく呟く。
「あの、もう、別に……」
しかし僕らは彼女に構うことなく続ける。
「普通に○リオでいいじゃない!」
「いえいえ、ドラ○エでしょう」
「キャンディー○ラッシュとかがいいって」
「シヴィライ○ーションという手もあります」
『それはないって!』
「ありますー!」
目が虚ろなアグリさん。が、僕らはそれでも止まらない。
「わかった。テ○リスでどう!?」
「なんて平々凡々とした意見ですか。やはりウィザード○ィがいいかもです」
「馬鹿かよ。パズ○ラあたりがいいって」
「魔○村か、超○界村を……」
そうして気づいた時には……アグリさんが机を叩いて、涙目で、叫んでいた。
「アグリやっぱり、ゲームやらない!」
『なぜ!?』
「『なぜ』じゃないよ! 皆、自分の胸に手を当てて考えなよ!」
アグリさんに促され、しばし黙考する僕ら。
そうして、僕らゲーマー勢は……全員同時に結論に辿り着いて、呟いた。
『……下手だから?』
「よかろう。ならば亜玖璃と戦争だっ、このひきオタゲーマー共ぉっ!」
…………。
……今日もゲーム同好会は、実に賑やかです。