葵せきな先生書き下ろしTwitter小説
15【星ノ守心春とエロゲ語り2】7月3日 掲載
ゲスト挿絵イラスト「あかいかげろう」さん
「エロゲのどんでん返しをどう思いますか、センパイ」
ある日の放課後。コンビニのイートインコーナーにて、僕は他校の後輩女子から質問を受けていた。
「面白いと思うけど」
「あたしも基本はそうですけど、ちょっと最近考え直しましてね」
コノハさんは人差し指をピンと立てて、語る。
「エロスを追求する上では、どんでん返しは危険じゃないでしょうか」
「それ以前にまずコンビニでのこの会話の危険性を考えてほしい」
僕のツッコミにも構わず、コノハさんは先を続ける。
「話の前提ひっくり返すものって、物語として面白いですけど、恋愛部分で嫌悪感出るケースがあると思うんですよ」
「ああ、主人公が実は別人だった、とか?」
「はい。主人公が実はカニだった、とか」
「どんでん返しにも程がある!」
「あと、衝撃的な世界観が後半で明かされるのも危険ですよね」
「ああ、実は全て夢オチでした、みたいなのとか?」
「はい。実は全員既にカニミソを抜かれてました、みたいなのとか」
「コノハさんの言ってるエロゲってなんなの!?」
「時系列入れ替えなんかも、上手くないと混乱させられるだけだったり」
「ああ、実はこれ、前作の未来と見せかけて過去の話でした、みたいなのとか?」
「はい。実はこれ、獲れたてと見せかけて冷凍モノでした、みたいな」
「カニの話!」
僕はテーブルを叩いてツッコむ。
「なんでカニの話なんですか! エロゲの話して下さいよ!」
と、コノハさんがニヤリと微笑んで返してくる。
「了解しました。エロゲの話しましょう」
「あ」
どうやら僕は、罠にかけられたようだった。
ある日の放課後。コンビニのイートインコーナーにて、僕は他校の後輩女子から質問を受けていた。
「面白いと思うけど」
「あたしも基本はそうですけど、ちょっと最近考え直しましてね」
コノハさんは人差し指をピンと立てて、語る。
「エロスを追求する上では、どんでん返しは危険じゃないでしょうか」
「それ以前にまずコンビニでのこの会話の危険性を考えてほしい」
僕のツッコミにも構わず、コノハさんは先を続ける。
「話の前提ひっくり返すものって、物語として面白いですけど、恋愛部分で嫌悪感出るケースがあると思うんですよ」
「ああ、主人公が実は別人だった、とか?」
「はい。主人公が実はカニだった、とか」
「どんでん返しにも程がある!」
「あと、衝撃的な世界観が後半で明かされるのも危険ですよね」
「ああ、実は全て夢オチでした、みたいなのとか?」
「はい。実は全員既にカニミソを抜かれてました、みたいなのとか」
「コノハさんの言ってるエロゲってなんなの!?」
「時系列入れ替えなんかも、上手くないと混乱させられるだけだったり」
「ああ、実はこれ、前作の未来と見せかけて過去の話でした、みたいなのとか?」
「はい。実はこれ、獲れたてと見せかけて冷凍モノでした、みたいな」
「カニの話!」
僕はテーブルを叩いてツッコむ。
「なんでカニの話なんですか! エロゲの話して下さいよ!」
と、コノハさんがニヤリと微笑んで返してくる。
「了解しました。エロゲの話しましょう」
「あ」
どうやら僕は、罠にかけられたようだった。