葵せきな先生書き下ろしTwitter小説
21【上原祐と友達紹介3】7月11日 掲載
ゲスト挿絵イラスト「Dra」さん
「んじゃ最後に、あのホシノモリ? とかってカワイコちゃんのこと聞かせてくれよ」
「カワイコちゃんて」
とある日の下校中。女好きの雅也の質問に俺は軽く辟易しながらも、少し考えてからそれに応じた。
「ゲームで喩えるなら、村娘Dだな」
「また『D』来たよ。お前のゲーム友達、地味すぎね?」
「しゃーねーだろ、実際そうなんだから」
「でも、『D』って存在感じゃねえだろあの子のビジュアル」
「確かに、髪切って可愛く――」
「いや胸のサイズ。F以上は――」
「おい」
エロ方面への脱線を許さず、俺は説明を続ける。
「ポイントは、彼女も雨野と同じく『D』なこと」
「勇者を振り回す『村娘D』ってことか」
「ああ。それに加えて『D』同士、雨野とは色んな意味で『お似合い』感が凄い。結果……」
「結果?」
首を傾げる雅也に、俺は残酷な現状を語る。
「二人揃うと、途端に『勇者(天道)』の肩身が、狭くなる」
「『勇者』を追い詰める『村人』と『村娘』ってありうるの!?」
「しかも本人達に自覚なしだ」
「タチ悪ぃなおい!」
「実際『勇者』は武力も富も名声も、全てを得られる。けれど……『村人D』と親交を深めることだけは難しいんだ。システム的に」
「世知辛ぇ」
「その点、『村娘D』は存在からして『村人D』にお似合いだ」
「超世知辛ぇ」
「これが、星ノ守千秋という女だ」
俺はそう話を締めるも、しかし、雅也はなにやら不服そうだった。
「いやいや、性格とか中身の話は?」
「村人Dと同じ」
「雑すぎるわ! もっとあるだろう、なんか!」
美少女たる星ノ守の情報を欲しがる、女好きの雅也。
俺はそんな彼に……仕方ないので、一つだけ、伝えてやることにする。
「最近作ったゲームの主役が『長芋』だ」
「おつかれっした」
雅也の撤退は、実に鮮やかなものだった。
「カワイコちゃんて」
とある日の下校中。女好きの雅也の質問に俺は軽く辟易しながらも、少し考えてからそれに応じた。
「ゲームで喩えるなら、村娘Dだな」
「また『D』来たよ。お前のゲーム友達、地味すぎね?」
「しゃーねーだろ、実際そうなんだから」
「でも、『D』って存在感じゃねえだろあの子のビジュアル」
「確かに、髪切って可愛く――」
「いや胸のサイズ。F以上は――」
「おい」
エロ方面への脱線を許さず、俺は説明を続ける。
「ポイントは、彼女も雨野と同じく『D』なこと」
「勇者を振り回す『村娘D』ってことか」
「ああ。それに加えて『D』同士、雨野とは色んな意味で『お似合い』感が凄い。結果……」
「結果?」
首を傾げる雅也に、俺は残酷な現状を語る。
「二人揃うと、途端に『勇者(天道)』の肩身が、狭くなる」
「『勇者』を追い詰める『村人』と『村娘』ってありうるの!?」
「しかも本人達に自覚なしだ」
「タチ悪ぃなおい!」
「実際『勇者』は武力も富も名声も、全てを得られる。けれど……『村人D』と親交を深めることだけは難しいんだ。システム的に」
「世知辛ぇ」
「その点、『村娘D』は存在からして『村人D』にお似合いだ」
「超世知辛ぇ」
「これが、星ノ守千秋という女だ」
俺はそう話を締めるも、しかし、雅也はなにやら不服そうだった。
「いやいや、性格とか中身の話は?」
「村人Dと同じ」
「雑すぎるわ! もっとあるだろう、なんか!」
美少女たる星ノ守の情報を欲しがる、女好きの雅也。
俺はそんな彼に……仕方ないので、一つだけ、伝えてやることにする。
「最近作ったゲームの主役が『長芋』だ」
「おつかれっした」
雅也の撤退は、実に鮮やかなものだった。