葵せきな先生書き下ろしTwitter小説
16【ゲーム部と日常風景】7月4日 掲載
ゲスト挿絵イラスト「かがちさく」さん
ボクが言うのもなんだけど、ゲーム部の面々は変わっている。
まずは、FPSゲーマーの加瀬岳人先輩。腕がいいのは勿論だけれど、何より……。
「ああ、実際痛いんだよな、あのナイフ……」
ぽつりと何気なく漏らす独り言が不穏だ。
次に、格闘ゲーマーの大磯新那先輩。これまたゲームの腕もさることながら、何より……。
「よし『目隠しでオンライン対戦百連勝』達成。次いこ」
縛り方が異常。もはや荒行の域である。それを、毎日鼻歌交じりでこなしている。
更に幽霊部員の下級生二名。彼女達の何が凄いって……幽霊部員のクセに、来た際には確実に「イベント」を発生させることだ。
前回の来訪時なんか、ゲーム部総出で「怪盗」を追うハメになった。……なぜかは説明したくない。字数制限的に。
そして極めつけが、部長の天道花憐さんだ。
彼女は一見、この部の中で一番良識ある人間に見える。見えるのだが……。
「ひゃぁああっ!」
……ある時期を境に、脈絡なく奇声を発するようになった。
原因はハッキリしている。
男だ。
「くぅ……雨野君に対するあの発言はやっぱり失敗だったかしら!? あぁ……」
彼女自身は気づいていないようだけど、ゲーム中、彼女の心の声はダダ漏れである。
結果……ゲーム部がフルメンバー揃った際の部活風景は、こうなる。
「そこはもう少し脳漿が出るだろう……」
「よし『特製二秒遅延コントローラーでストーリーモードクリア』達成。次いこ」
《下級生入室と同時に、部室を謎のロボットが急襲!》
「ああ、どうして雨野君は亜玖璃さんと……! あぁ……!」
混沌とした風景の中、ふとスマホに視線を落とすと、雨野君からメッセージが届いていた。
〈今日のゲーム部はどうですか?〉
そんな彼の質問に。ボクはロボットを眺めながらも、迷うことなく返す。
〈いつも通りだよ〉
まずは、FPSゲーマーの加瀬岳人先輩。腕がいいのは勿論だけれど、何より……。
「ああ、実際痛いんだよな、あのナイフ……」
ぽつりと何気なく漏らす独り言が不穏だ。
次に、格闘ゲーマーの大磯新那先輩。これまたゲームの腕もさることながら、何より……。
「よし『目隠しでオンライン対戦百連勝』達成。次いこ」
縛り方が異常。もはや荒行の域である。それを、毎日鼻歌交じりでこなしている。
更に幽霊部員の下級生二名。彼女達の何が凄いって……幽霊部員のクセに、来た際には確実に「イベント」を発生させることだ。
前回の来訪時なんか、ゲーム部総出で「怪盗」を追うハメになった。……なぜかは説明したくない。字数制限的に。
そして極めつけが、部長の天道花憐さんだ。
彼女は一見、この部の中で一番良識ある人間に見える。見えるのだが……。
「ひゃぁああっ!」
……ある時期を境に、脈絡なく奇声を発するようになった。
原因はハッキリしている。
男だ。
「くぅ……雨野君に対するあの発言はやっぱり失敗だったかしら!? あぁ……」
彼女自身は気づいていないようだけど、ゲーム中、彼女の心の声はダダ漏れである。
結果……ゲーム部がフルメンバー揃った際の部活風景は、こうなる。
「そこはもう少し脳漿が出るだろう……」
「よし『特製二秒遅延コントローラーでストーリーモードクリア』達成。次いこ」
《下級生入室と同時に、部室を謎のロボットが急襲!》
「ああ、どうして雨野君は亜玖璃さんと……! あぁ……!」
混沌とした風景の中、ふとスマホに視線を落とすと、雨野君からメッセージが届いていた。
〈今日のゲーム部はどうですか?〉
そんな彼の質問に。ボクはロボットを眺めながらも、迷うことなく返す。
〈いつも通りだよ〉