葵せきな先生書き下ろしTwitter小説
6【亜玖璃とファミレス会議2】6月20日 掲載
ゲスト挿絵イラスト「うた」さん
「っていうかゲームって、面倒臭くない?」
今日も今日とて、ファミレスにてアグリさんが脈絡なく絡んできた。
僕はスマホに視線を落としたまま返す。
「面倒を楽しむのがゲームですからね」
「その時間と労力、バイトにでも費やした方が良いんじゃ」
「そりゃそうですけど」
「そしてそのお金を亜玖璃に貢いだ方が良いんじゃ」
「そりゃそう――じゃないですね、危ない」
「ちっ」
スマホから顔を上げると、アグリさんが舌打ちしていた。
彼女は改めて続けてくる。
「でも実際、ゲームの無駄感ってハンパなくない?」
「いやまあ確かに『龍○如く』みたいなリアルなゲーム内で大金所持している時なんか、酷く虚しい気持ちになる瞬間もありますけど」
「でしょう」
「とき○モで主人公のパラメーターを上げきってモテモテの完璧超人を作り上げた後、現実の鏡に映る自分の姿を見て、死にたくなることもありますけど」
「だったらゲーム時間を削って現実の自分を磨こうよ、あまのっち」
「断る」
「即答だ!」
僕はコーヒーを一口啜ったのち、静かに彼女へ語りかける。
「……アグリさんは、パンケーキ食べる直前に『野菜食べた方が体に良いよ』と言われたらどう思います?」
「うるせぇっ、てなる」
「それです。それが今の僕の気持ちです」
僕の理屈に、アグリさんは呆れたように嘆息した。
「あまのっちって、駄目人間の理屈語りだけは一人前だよね……」
「へへ……」
「や、褒めてないから。……はぁ」
どうやら僕の対人スキル修業は、まだまだ先が長そうだった。
今日も今日とて、ファミレスにてアグリさんが脈絡なく絡んできた。
僕はスマホに視線を落としたまま返す。
「面倒を楽しむのがゲームですからね」
「その時間と労力、バイトにでも費やした方が良いんじゃ」
「そりゃそうですけど」
「そしてそのお金を亜玖璃に貢いだ方が良いんじゃ」
「そりゃそう――じゃないですね、危ない」
「ちっ」
スマホから顔を上げると、アグリさんが舌打ちしていた。
彼女は改めて続けてくる。
「でも実際、ゲームの無駄感ってハンパなくない?」
「いやまあ確かに『龍○如く』みたいなリアルなゲーム内で大金所持している時なんか、酷く虚しい気持ちになる瞬間もありますけど」
「でしょう」
「とき○モで主人公のパラメーターを上げきってモテモテの完璧超人を作り上げた後、現実の鏡に映る自分の姿を見て、死にたくなることもありますけど」
「だったらゲーム時間を削って現実の自分を磨こうよ、あまのっち」
「断る」
「即答だ!」
僕はコーヒーを一口啜ったのち、静かに彼女へ語りかける。
「……アグリさんは、パンケーキ食べる直前に『野菜食べた方が体に良いよ』と言われたらどう思います?」
「うるせぇっ、てなる」
「それです。それが今の僕の気持ちです」
僕の理屈に、アグリさんは呆れたように嘆息した。
「あまのっちって、駄目人間の理屈語りだけは一人前だよね……」
「へへ……」
「や、褒めてないから。……はぁ」
どうやら僕の対人スキル修業は、まだまだ先が長そうだった。